作品 16

1995年 直刀 天田昭次作之
平成七年正月吉日
刃長 62.2cm 反り なし
形状 切刃造り、丸棟、かます切先。
地鉄 (じがね) 小板目肌よく詰み、地沸つき、細かい地景入る。
焼刃 (やきば) 匂出来の直刃、匂口締まり、小沸つき、刃中小足入る。
帽子 (ぼうし) 直に焼き詰める。
彫刻 表裏に二筋樋を掻き流し、その上に雲形・七星文・竜頭を金像嵌で表す。
中心 (なかご) 棟角、鑢目筋違、先栗尻、孔一。

この直力は、大阪・四天王寺に伝来する「七星剣」を写している。
剣名の由来は金象嵌の文様にある。 同寺にはもう一口「丙子椒林剣」(へいししょうりんけん)と呼ぶ著名な直刀があり、いずれも聖徳太子の佩用と伝えている。舶載品と見られ、上古刀中、最も優れた作である。
既に見たように、直刀は作者の自家薬籠中の作域である。
地鉄は揺るぎなく、直刃にも全く破綻がなく、完璧である。
金象嵌は専門工の手になる。

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